現在新築を建てる際、どこのハウスメーカーも気密性の向上や、全館空調などを取り入れ、窓を開けなくても快適に過ごせる家が主流になりつつあります。
確かに現在の外気環境を考えると、花粉やPM2.5、ウィルス等を防ぐ意味でも、窓を閉め切って空調管理できる方が理にかなっています。
でも、家の中で風を感じたいんです!
という事で、新築を建てる上で、風を取り込むために、押さえておきたい風の知識をまとめています。

①日本の風の向き
偏西風
日本では基本西から東に風が吹いている
地球では、おおよそ中緯度に位置する領域で、強い西風が吹いています。
つまり、おおよそ北緯35°あたりに位置する日本の上空にもこれが吹いていることになります。
引用:偏西風や季節風、日本に吹く風について
季節風
夏は南東から北西に、冬は北西から南東に向かって吹く
偏西風とは違い、季節によって向きがかわる風のことを言います。日本界隈では、夏には南東の季節風が吹き、冬には北西の季節風が吹く。
引用:偏西風や季節風、日本に吹く風について
夏には南東の季節風
冬には北西の季節風
海風と陸風
晴れた日の昼間は海から陸に向かって風は吹く、晴れた日の夜は陸から海に向かって風が吹く
海岸部付近で観測することができる風のことを言います。引用:偏西風や季節風、日本に吹く風について
海風 良く晴れたお昼に陸から海に向かって吹く風

陸風 良く晴れた日の夜に陸から海に向かって吹く風

②風の特性

気圧の高い方から、低い方に風が吹く=気温の冷たい方から暖かい方に風が吹く
・風は空気の移動
・地球は空気に覆われている
・空気は温度が上がると膨らみ軽くなって上昇(気圧が低い)
・反対に空気は冷えると縮んで重くなり下降する(気圧が高い)
・気温差があると気圧に差が出来風が起こる
参照:仙台気象台風が吹く仕組み
参照:GAKKENキッズネットかぜはどうしてふくの
③家に風を取り込む工夫
風の入り口と出口を作る

風は入り口が1か所しかない場合、流れが止まり停滞してしまいます。
出口も作る事で、風通しが良くなります。
窓の配置する位置や大きさによって、風の流れっも変わってきます。
風の吹く方角や向きに、窓がないと効果的に風を取り込めないので、部屋の方位や窓の位置を、風の吹く向きに合わせて設計しましょう。
窓に高低差をつける
高い温度は上昇、低い温度は下降する性質を生かして、窓に高低差をつけ低い窓から高い窓に空気の流れを作る。

引用:LIXIL換気に配慮したこれからの時代の住まいづくり風を設計する
天窓
天窓を設ける事で、天井にたまった暖かい空気を、外に逃がし空気の流れを作れる。
風を捕まえる
縦すべり出し窓(ウインドキャッチの窓)を活用する事で、直接風を室内に取り込む。

(引き違い窓と縦すべり出し窓の風の流れ比較)
引用:LIXIL換気に配慮したこれからの時代の住まいづくり風を設計する
④建築予定地の風の流れを理解する
結局大事なのは、実際に建てる土地の風の流れだと思います。
これを把握しないと、窓の設計をしても無駄になる可能性があるので、とにかく窓の設計の前にその土地の「卓越風」を調べましょう。
ある地方で、ある特定の期間(季節・年)に吹く、最も頻度が多い風向の風。主風。常風。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』卓越風
卓越風の調べ方
あるエリアのある期間に最も頻繁に現れる風向きの風の事を指します。
一般財団法人建築環境・省エネルギー機構の気象データで確認することができます。
参照:(一財)建築環境・省エネルギー機構 自立循環型住宅ホームページ
この数値は参考に、実際の土地に足を運び、自分の肌で感じる事が大事だと思います。
風の向きと、周りの建物の距離や位置によって、風の強さが変わってきます。
引用:LIXIL換気に配慮したこれからの時代の住まいづくり風を設計する
まとめ 風を感じる心地いい家がいい

住まいの気密性が重要視されていますが、気密性と換気性は両立できると思います。
気密性も上げつつ、風を感じたい時に窓を開け、自然の風を取り込めるような設計が出来れば、本当の意味で理想的な家になるのではないかと思います。
風の性質を理解しながら、効果的な窓の設置を考えよう

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